蜷川  振り返ったらうつくしい影
望月色  眠りをひとかけ、金に変えて
香雲  あなたなら私を食べてもいいよ
  いびつがうつくしいのはおまえのせい
悧子  どこの夜にでも飛び去ってゆける
  純情は性癖
紗帆  海に揺蕩う時間の単位
せつや  孕みあうからだ
  隔てられてこその憧憬
シンバル  柔肌を金で接ぐ
望月色  胃袋より心臓を掴みたい
悧子  ひとつの火をわけただけ
蜷川  息継ぎが終わるころ君を標本にする
  海も、あなたも閉じこめて、目蓋
マオ  硝子のなかの銀の満ち欠け
香雲  夜に泳ぐ馬車のなかひとすじの哀しみを舐める
香雲  I can't speak LOVE and so I hold my place.
紗帆  ノスタルジーとバイオリン
せつや  凪いだローズは舞い散って、22.5をゼロにして
蜷川  色とりどりになる私たち
望月色  羨んだエメラルド
  あざやかなままで
  秘密のやさしさが彼をなぶる
マオ  片秀の果ては痣か悪癖もしくは花卉
香雲  あなたをもう一度つくろうとまほの実を埋める
あなたの視線の5秒先  
ほほえみという果実  いろの
楽園の欠片を舐める  蜷川
舌先の痛みと憧憬  
どこまで撫でてくれるかな  望月色
なにもゆるさない目で誘う  
栄光をもたらすはずだった男  シンバル
魂をふたつに分けてその片方を永遠にする  蜷川
すべての孵化を幸福と呼ぶ傲慢  
特注の棺  シンバル
手にした孤独がいつか光るとき  蜷川
さみしがりたがりや  もじゃ
不実な世界ごと犯されたい  
食べかけの月の模型  マオ
想い人を夢想する  望月色
夢食いこびとはもういない  いろの
喪失を模る星座  悧子
夜更けの波間へ星は貝殻  紗帆
くらがりに並べば黎明と知りながら  せつや
瞼をやさしく透かす温度  シンバル
ひだまりに輪郭を乞う  蜷川
闇はマントではないよ  望月色
誰しもが茜色を割り開く  せつや
てっぺんに届かなくてもお星様  蜷川
星の群れを見た、今までで一番近くで  望月色
明日には昨日でも今がなによりいちばん  

たくさんの愛と感謝をこめて